建物

フランク・ゲーリーの設計を最大限に尊重するため、この建物の建設にかかわった者たちは、プロジェクトの構想から建物の仕上げ工事まで、それまでに経験したことのない挑戦に挑むことになりました。



特にガラスの製造においては、その製造技術を見直す必要がありました。このガラス製作のために特別な窯が考案され、フランク・ゲーリーの思い描く難度の高い曲線や躍動感が見事に再現されました。

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総面積13 500 m² におよぶガラス屋根は、個別に成型された世界でたったひとつのピースで構成されています。

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技術的挑戦

フランク・ゲーリーの創造性は、常に技術革新を要求します。ルイ・ヴィトン財団の建設現場は、そのプロジェクトの構想においても、施工の段階においても、建築の法則を覆します。このプロジェクトのために集約したパートナーたちは、工事の第一段階から、“ゲーリー・テクノロジー”がダッソーシステムズのCatia を元に独自開発した3Dソフトウェアの使い方を習得し、作業を進めていきました。

このソフトウェアの優れた性能により、異なるチームが共通のモデルを使用して同時に密接に連携して作業することが可能となり、フランク・ゲーリーが思い描く複雑なフォルムが忠実に再現されたのです。

 

 

アメリカ建築家協会(American Institute of Architects)は、ゲーリー・テクノロジーズ社(Gehry Technologies)にBIM(Business Information Model)アワード最優秀賞を授与しました。フランスでは、Setec Bâtiment、Quadrature Ingénierie、RFR、T/E/S/Sが、エコロジー・持続可能開発・エネルギー省および生産再建省からエンジニアリング大賞(Grand Prix National de l’Ingénierie)を授与されました。またBonna Sablaには、管の真空鋳造によってコンクリート工学連盟(FIB)賞が贈られました。

   

数か月前、ハーバード大学が建築課程のプログラムに財団の建物を組み入れました。

 

 

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このプロジェクトの実現は、フランスおよびアメリカ合衆国での複数の賞の受賞により大きく評価されました。

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環境を配慮したモデルプロジェクト

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ルイ・ヴィトン財団のプロジェクトは、環境を配慮した模範的なアプローチを採用し、文化建造物を対象とした新しい規格HQE®のモデルプロジェクトに選ばれました。

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ルイ・ヴィトン財団の建設は、LVMHグループの持続可能な発展に対するコミットメントに呼応して進められました。プロジェクトの開始当初から、動植物相の変化、地下水の状態が観察、分析され、音の影響や多数の来場者が与える影響などが予測、研究されました。



こうして持続可能な開発の中でも環境や人類への配慮が、このプロジェクトのあらゆる局面 ‐構想、建設、経営‐ の核心に置かれました。



開館後も、天然資源の保護が常に考慮される予定です。具体的には、雨水は回収され、飲料水ではない目的で再利用されることになります。貯蔵され、ろ過された水は主に、建物のファサードやガラス屋根の洗浄に使われます。また財団の建物を取り巻く池にも流され、植物やテラスを潤します。こうして財団における飲料水の消費は抑えられ、必要に応じて調整されます。

建築現場の写真

低速度撮影写真

建設にかかわったパートナーたち

建築家フランク・ゲーリーが提案した革新的プロジェクトの実現のため、複数のパートナーが集約しました。またそのエージェント“ゲーリー・パートナーズ”は現場でStudios Architectureの協力を得ました。



ルイ・ヴィトン財団は工事全体の監督にQuadrature Ingénierieを選び、SETEC、RFR、T/E/S/S、ALEPの4社が施工業者、そしてVINCI が総合請負者を務めました。



ALEPはアクリマタシオン公園の一貫した景観計画を担当し、財団建物の周辺環境への同化を図りました。



Quadrature Ingénierieは、監督としての使命の中で、建設主技術補佐として建築家チーム、設計者、施工業者を統率しました。



RFRおよびTESSは、フランスの研究所でこれまでにも有名な建築物の実現(ストラスブール駅、アヴィニョン駅のガラス屋根、パリのシモーヌ・ド・ボーヴォワール橋)に携わり、今回はともにガラス屋根とアイスバーグの構想を手掛けました。



SETEC BÂTIMENTSはフランスの最も大きなエンジニアリング会社のひとつで、建物構造の構想、および流体の研究、また工事にかかわる施工業者が行った調査等の調整も行いました。



パリに拠点を置き、国際的な活動を展開する建築事務所STUDIOS ARCHITECTUREは、フランク・ゲーリーとそのロサンゼルスにあるエージェントの“ゲーリー・パートナーズ”の建築構想の展開と実現を担いました。



BTP(建物・公共事業)を請け負うフランス企業で国際的に知られたVINCI Constructionは、複数の下請け業者(12のガラスのベールの製作を行ったEIFFAGE Construction Métalliqueを初めとして)の協力を得て財団の建物の建造を行い、建築現場を統率しました。