建造物

© 2014 Fondation Louis Vuitton / Les Films d’Ici / Richard Copans / Et Alors Productions

手帳の真白なページに素早く走らせた鉛筆の素描。ブローニュの森の中のアクリマタシオン公園の境界に配された透明の雲。フランク・ゲーリーは、「フランスの文化に対する使命を反映する美しく壮大な空間を、パリに捧げたい」という思いをずっと温めてきました。

夢を現実に紡ぐ力を備えたフランク・ゲーリーは、象徴的で大胆な、世界で類を見ない建築物を描きあげました。

19世紀のフランスの文化に刻まれたある歴史を称え、フランク・ゲーリーは21世紀の技術を駆使して、未来の革新に繋がる道への扉を開くのです。

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私たちはパリに、芸術と文化に捧げる特別な場所を贈りたいと願いました。そこで私たちは感動を与える大胆なデザインへの思いを馳せながら、フランク・ゲーリーに21世紀を象徴する建物の実現を委ねたのです。

ベルナール・アルノー quote
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絶えず変わりゆく世界のように、その日の時間や光の加減で表情を変える建物を構想したいと考えました。時は一瞬たりとして同じではない、そのはかなさを感じてもらえるように。

フランク・ゲーリー quote

フランク・ゲーリーは19世紀の建築や風潮より、ガラスの透明感が創出する軽さ、そして驚きがところどころに散りばめられた散歩の魅力を取り入れました。彼の建築は伝統的なライフスタイルと、未来を見据えた大胆さ、そして現在のテクノロジーが可能とした革新をひとつにしています。

財団建物の12枚のベールを構成する3600枚のガラス。そこにミリ単位で曲線を描く技術の発明。アイスバーグに純白の輝きを与え、一枚一枚がすべて異なる19000枚のダクタル板(繊維入りセメント)。そして斬新な構想プロセス。建築工程のひとつひとつが建築界の限界を押し広げ、夢の領域にあると思われた素晴らしい建物の実現を可能としたのです。

数字で見る財団の建物

13 500 m² : 12枚のガラスベールの表面積

19 000枚のダクタル板(繊維入りホワイトセメント)

7 000 m² : 有効面積

3 850 m² : 美術館管理部門

11 美術館展示室

360 - 1 000 : 席の音楽ホール

Ductal intérieure
Ductal

建築家

 

世界的な知名度を誇る建築家フランク・ゲーリーは、ロサンジェルスを拠点に活動しています。大胆さと詩情に富んだ彼の建築的作風は、さまざまな建物に共通して見られる型にはまった構造からは一線を画すものです。

その力強いスタイルは重力をものともしないボリューム感で、雲にさえ挑みます。

そしてそのスタイルは革新的。まわりの景色の眺望を再考し、視覚的な驚きを与えます。 それでいて物語を語るかのように、驚きと感動を織り交ぜながら未来の建築構想を提案するのです。

Transcript: Tout d'abord nous savions que pour construire un bâtiment dans ce parc, il nous faudrait construire dans le style du Grand Palais, quelque chose en verre. Ce serait comme une structure de jardin. Je crois que Bernard et moi avons parlé de cela dès le début. Pour qu'il soit accepté par la Ville il fallait que le batiment soit lié au jardin, aux arbres, et à la structure du jardin. Je jouais avec des voiles en verre et je ne savais pas comment j'allais les assembler, et quel serait leur fonctionnement. Dès le dŽbut nous savions que le batîment serait constitué d'une partie solide à l'intérieur que nous avons surnommée l'iceberg, et une partie extérieure qu'ils appellent maintenant la verrière. Nous avons conçu ce projet comme une sorte de vaisseau flottant, comme une boîte flottant au-dessus du sol. C'est comme ça que l'on pourrait résumer le projet. Et le toit sera comme un jardin recouvert de verre.
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それはどんな型にもはまらない、特殊な建物だ。私は今までにこれと類似した建物はデザインしたことがない。

フランク・ゲーリー quote

芸術的しぐさ

この建築で見せた挑戦は、今やすでに21世紀の象徴的建築物の中のひとつとして位置付けられています。フランク・ゲーリーの建物は、これまでに想像されたことのない様相を呈し、独自性、創造性、革新性というルイ・ヴィトン財団のプロジェクトをそのままに反映させています。

最初の素描の作成にあたって、フランク・ゲーリーは19世紀終盤に見られたガラスによる建築物と庭園に着想を求めました。ゲーリーはその後、木、プラスチック、アルミニウムで模型をいくつも作り、線や形をさまざまに組み合わせることでこれから作り出そうとしている建物に動きを与えていきます。素材の選択はあまりにも明確でした。それは、“アイスバーグ”と呼ばれたブロックの複合体である建物を包み込むガラス。それが建物にボリュームと躍動感を与えます。

池の上に配されたこの建物は、林と庭園に囲まれた自然環境に溶け込み、光と鏡の反射に浮かび上がるヨットや船のイメージ。最終的な模型はスキャンされ、このプロジェクトのデジタルモデルとして記録されました。  

 

バイオグラフィー

学歴 : ロサンゼルスの南カリフォルニア大学(USC)、ハーバード大学デザイン大学院

1979年 :
サンタモニカのゲーリー自邸

1993年 :
ミネアポリスのワイズマン美術館

1996年 :
ダンシング・ハウス、プラハ

1997年 : ビルバオ・グッゲンハイム美術館オープン

2000年 :
王立英国建築家協会からロイヤル・ゴールド・メダル

2001年 :
 ベルナール・アルノーとの初対面と最初のスケッチ

2003年 :
ロサンゼルスのウォルト・ディズニー・コンサートホール、ヴァイル・アム・ラインのヴィトラ・デザイン・ミュージアム。同年、フランク・ゲーリーは優れた建築家に贈られるプリツカー賞を受賞。

2006年 : シドニー・ポラックが『スケッチ・オブ・フランク・ゲーリー』でフランク・ゲーリーを称える。

2007年 :
IAC ビル、ニューヨーク

2011年 : ニューヨーク・タワー・バイ・ゲーリー

2014年 : ルイ・ヴィトン財団